研修プログラムの概要

Program overview

研修プログラムのコンセプト

[1] 本研修の狙い

本研修は職域現場を主に想定して、 現場で保健専門職者として活動している方々に、禁煙支援に関する基礎的な知識とコミュニケーションスキルを習得 していただくことを目指しています。禁煙支援は、環境づくりと個人の働きかけという大きく二つに分けて考えることができますが、研修プログラムは 双方をカバーします。ハンズオンで実践的な基礎力構築や強化を目指します。

産業医科大学 産業保健学部
欅田尚樹教授(プロジェクト代表者)からご挨拶

[2] 日本の禁煙支援

我が国の禁煙対策は他の先進諸国と比較して遅れている状況ですが、 東京オリンピック開催に向けた社会的な要請と2018年の健康増進法の改正に伴い、 特に受動喫煙対策、環境整備の観点で強化されてきています。 一方、禁煙外来を受診し医療的なサポートを受けると禁煙成功率が上がることは エビデンスとなっているにも関わらず、我が国では利用に繋がっていかないために禁煙がうまくいかない状況です。

より多くの職域や地域で健康づくりに関わる保健専門職者が、 喫煙中の構成員に対して効果的に禁煙へ誘導し、 医療的禁煙支援へと繋げていくことができると、 禁煙成功率も高まってくると考えられます。

研修プログラムの概要

職域保健に携わる専門職者の方々に、
禁煙支援力をつけたり、高めてもらうための研修です。

研修は、e-learning とライブ型対面またはオンラインの2 つの形態で構成しています。
ライブ型研修は、e-learning で学んだ内容を基に疑問や現場の課題を持ち寄って相談するQ&Aセッションと、 具体的な禁煙支援の取り組みの展開について考え、スキル向上を図るグループワークを中心とした内容です。
全体を通して、講師と受講生同士のフィードバックのやりとりをしながら、実践につながる力の習得を目指します。

ライブ研修会のテーマ構成

ライブ研修会には、以下の1)と2)の内容が含まれます。
基礎編のみの受講か、応用編までの受講かによって、1)だけまたは1)と2) を受講します。
(詳しい内容は、「研修プログラムの流れ」をご参照ください)

1)ライブオンラインQ&Aセッション(基礎編のみの受講者、応用編受講者共通)
e-learningの内容とそれに関連すること、あるいは禁煙支援に関する全般について、 講師に質疑応答する時間。講師の数名による1時間程度を4回予定していますので、参加可能な日時にご参加ください。

2)「ストレスマネジメントの視点で組織的に禁煙支援を進めよう!」ワークショップ(応用編 受講者のみ)
組織の中の喫煙者が少なくなるのは嬉しいことですが、喫煙者ゼロまで持っていくように組織的な展開をするのが難しくなるという現場の声を耳にします。 また、「タバコを吸うのはストレス解消のため」という喫煙動機の認識を持っている喫煙者は少なからずいるようです。 現代社会において、ストレスマネジメントは全ての人にとって重要です。そこで、ストレスマネジメントを切り口に、非喫煙者を含めて禁煙を促し、支援提供をする全組織的なアプローチの展開を提案したいと思います。
2022年度の研修では、上記のような介入プログラムを支援を提供する参加者の方がたに実際に体験していただきます。また、参加者の皆さんにもご意見をいただき、現場で使いやすいプログラムにしていきたいと思います。(※このテーマは、事務局の河村洋子(産業医科大学産業保健学部・教授)の研究活動の一環でもあります。)

研修の対象者

対象者は、職域保健専門職の方々を想定しています。

一方、ご自身の保健活動の現場で禁煙支援の取り組みを始めてみたい、あるいはよりよくしていきたいとお考えの方はご参加いただけます。

​ご心配の際には、気軽にお問い合わせください。

学修目標

研修プログラム全体で、受講生の学修目標として以下のものを掲げています。

  • 効果的な禁煙支援のための介入に関する基礎的な知識を習得する
  • その知識に基づいて、自らの環境に適するように具体的な禁煙介入の計画を立てることができるようになる
  • 喫煙者に対して禁煙を促すようにうまく誘導し、動機づけるコミュニケーションスキルを身につけ、高める
  • 自らの実践をよりよくするために現場の知恵を共有し、継続的に相互に高め合える仲間同士のネットワークを形成する

講師について

 E-learningでの講義は我が国おけるタバコ対策を牽引する産業医科大学の欅田尚樹教授や大和浩教授や、 職域現場などでの禁煙支援に取り組む医療臨床家の方々により提供されます。

また、禁煙支援にとても有効であるとされる動機づけ面接法のエッセンスの講義やグループ支援をしていく際のファシリテーションの技術に関する内容を含みます。詳しくは、研修プログラムの詳しい内容のページをご参照ください。​

ライブ形式の日時

1)ライブオンラインQ&Aセッション
※ご都合に合わせてご参加ください

第1回
・12月9日(金) 18時〜19時
第2回
・12月21日(水) 18時〜19時
第3回
・1月11日(水) 18時〜19時
第4回
・1月25日(水) 18時〜19時

2)「ストレスマネジメントの視点で組織的に禁煙支援を進めよう!」ワークショップ
※以下のいずれかのスケジュールでご参加ください

第1回
・1月28日(土) 10時〜16時
・1月29日(日) 9時〜12時
※ 1.5日間。ハブリッド開催を予定。対面は小倉駅周辺を予定
第2回
・2月1日(水) 18時半〜20時
・2月8(水) 18時半〜20時
・2月15日(水) 18時半〜20時
・2月22日(水) 18時半〜20時
※ 毎週水曜日。オンライン開催を予定。

研修プログラムへの参加方法

 「禁煙支援の方法の基礎を学びエッセンスを習得していきたい」、
「現状の取り組みを良いよくしたい」、という特に職域での禁煙支援に関心のある方でしたらどなたでも受講可能です。また、地域など職域ではないが、地域などのコミュニティ、組織や集団で禁煙支援に取り組まれている、あるいは取り組もうと考えている方も受講できます。

 研修プログラムの受講は無料ですが、全5回のライブでの機会に参加し、e-learningで学修の動画を視聴して課題に取り組むことをやり遂げる心の準備をして臨んでいただきたいです。講師からの内容の提供だけではなく、受講生同士の相互学修を多く取り入れていますので、「受講生皆で学んでいく」という気持ちで受講をお願いします。

 受講を悩んでいたり、ご質問がある場合には、問い合わせフォームからお問い合わせください。

「研修プログラムの流れ」のページでライブ研修会のスケジュールを確認 してから、受講申し込みページで登録をお願いします。